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あなたの色に染められて

第12章 学会




『はい。出来上がりましたよ』


『うわぁ。すごーい!』


姿見の前に立ち 一回りしてみる。


淡い色のパールを基調としたアクセサリーが私の肌を一段と白く見せて


『……私じゃないみたいですね』


壁に寄りかかり 腕を組んで 鏡越しに笑ってる先生に話しかける


『色が白いから 黒いドレスが映えますよね。まだお若いのでメイクもほとんどしてないんですよ。』


『…フフっ…孫にも衣装だな』


『……すぐにそうやって!』





*********


『璃子。今日は先生禁止な。』

『えっ?じゃあなんて呼べばいいんですか?川野さん?』


タクシーの中でパーティでの話を聞く


『下の名前で呼べ。』


『……私。…知らないです …先生の下の名前。』



『ハァ?お前 俺の担当じゃなかったっけ?信じらんねぇ。』


『そんなこと言われても ……しょうがないじゃないですか!』


はぁ。先生はまた大きなため息をついて 私に体を向けて


『達哉。川野達哉です。31歳。独身です。心臓外科医です。よろしくお願いします。』


『……うふふっ……31歳なんですか? 』


『…悪かったな。おじさんで
……お前さぁ。今日は頼むよ。マジで。』


苦笑いをしながら
『カニ食わせねーぞ!』


『それは……頑張りますよ!北海道来たんですからカニは食べたいですから!!』


『じゃ、俺の名前は? せーの。』

『たつや……さん///』


少し恥ずかしいんですけど…

『忘れんなよ。頼んだからな。
あっ。でも 楽しめよ。英語もな。』


私の肩をポンと叩いて 微笑んだ。




昨日の先生はなんだったんだろう。

あのときの先生の顔が脳裏にチラつく。ブルブルと頭をふって “忘れるんだ!”念じてみる。


先生は足を組み 窓に肘をついて窓の景色を眺めていた。





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