テキストサイズ

虹色の精霊に導かれて…

第7章 ハワイの夜 1泊目 ①

二宮視点

  キュッ
 シャワーのコックを止める。


 汗は流せた。


気になる…


 気分はモヤモヤしている。


 そっと、バスルームの扉を開け相葉さんを確認する。


相葉さん…さっきより、はっきり英語喋ってる…


 なぜか‘まーくん’っと呼ぶ気分じゃない…


相葉さん…誰か部屋に呼ぶつもり?



ここは決まった人しか入れない。はず…

じゃ、事務所が許す人…?


{カズナリ…濡れたままだと、風邪をひくぞ}
“理解者”の声で、体を拭いていない事に気づく。


≪はは、どうして、こんな事してるんだろうな……はは…≫

 自分の体を見て、笑った。

 なぜ笑ったのか自分でも分からないから、また笑った。


 ホテルの綺麗なバスタオルで体を拭き、用意していた服に着替える。

そして、扉を少し開けて、相葉さんを確認する。


{どうした?出ないのか?}

≪……出にくい≫

{マーの行動が気になるのなら、情報はあるぞ。聞くか?}


“理解者”の情報は状況を正確に教えてくれる。

知りたくない情報だってあった…


でも、なんだろう…こんなに、聞きたくて聞きたくない気持ちは…



≪…………聞く≫


{マー は先程から、ルームサービスを呼ぶための電話の会話を練習している。
 結果は、残念の言葉しかない}


・・・・・・・・・・・・

「聞かなきゃよかった…」

 ため息と共にリアルな言葉も口から零れる。

 そして、体が小刻みに揺れ始める。


{嵐に問題になる事か?}


≪いや…俺の問題だ。
 聞いておいて良かったの…かも…しれない。


 俺の勘違いで…危うく火傷を‥‥いや
 男二宮の死亡宣告をしていたかもしれない…≫


 扉の前で体育座りをして、気持ちを落ち着かせる。


{この時代は世知辛いモノだ…}

ズゥズゥ

 スマホのバイブが聞こえる。

「はい」

和専属「二宮さん。料理が届きました…どちらに運びましょう?」

「今どこ?」

和専属「エレベーター前です」

「マーの部屋の前まで持ってきて、もう部屋出るから…」

和専属「…分かりました」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ