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虹色の精霊に導かれて…

第7章 ハワイの夜 1泊目 ①

相葉視点

 ニノの部屋から出て、自分の部屋に向かう。

 手を引かれている所なんか、松潤に見られたくない。

(絶対、弄られる…いつまでたっても、俺で遊ぶんだもん…俺の方が年上なのにさぁ)


 部屋の前に和専属の浜地さんが 白い布のかかったワゴンの取っ手を持って待っていた。

「あ。すみません お待たせしました」

 あわてて、部屋の鍵を開けて、扉を開ける。


和専属「失礼します」

「どうぞ!どうぞ!」

 浜地さんがワゴンを押しながら、入ってきた。

和専属「あの…二宮さんは?」

「ニノ?『クッション持ってくる』って、部屋に戻ったよ?」


和専属「……あ、あの…相葉くん…」
 言いにくそうな声で俺に話しかけてきた。


「?なに?」

 カズに言われた“皿出し”をしながら返事をした。


和専属「和さ…二宮さんはあまり、体のお強い方ではないので、お優しい対応でお願いします…」
 どこか、困ったような顔で言葉を選びながら話す浜地さん。


「体?ニノっどこか調子悪いの?」

(ニノは他の仕事で無理している時でも、練習の手を緩めない…
 無理してケガしても、治るまで黙っている…
 翔ちゃんが殆ど気が付くけど…俺は…)

和専属「あ…いえ…」
 浜地さんはもっと困った顔をした。


(あ…『言うな』って言われているんだ…

 うん。わかった。
 なら、聞いていない事にする)


「浜地さん。大丈夫だよ。俺もみんなもニノの事大好きだから、無理させない」

 浜地さんがもっと困った顔をした。

(ん?違うの?)

N「浜地。何話している?」
 少しキレかけのカズの声が後ろから聞こえる。

和専属「あ、いえ、少々私の早とちりをしまして…
  はは、私はこれで失礼します」
 そそくさと、浜地さんは部屋を出て行った。

N「たく…なんの早とちりだよ!なぁ?」
 出ていく浜地さんを見送って、振り向いた和。

「えーリハ見てて、心配してたんじゃない?」

(これなら、カズも素直になれるでしょ?)

N「…あー、最初の方酔い止めが残ってたからね…」

(そう、そう。そう言う事にしておこう)

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