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虹色の精霊に導かれて…

第7章 ハワイの夜 1泊目 ①

二宮視点

 気分が晴れた。

なぜ、晴れたのかは、わからない。

でも。晴れた。

 嵐で一番背の高い男が、小さい子供のように恥ずかしそうに顔を赤くしている。

(いつまでも、こうやって、手を引く方でいたい。置いて行かれたくないし、置いていきたくない)

部屋を出ると、部屋と廊下の温度が微妙に違っていた。

(ん、ちょっと薄着だったかな?上着持って行った方がいいな)


「まーくん先に行って、浜地から料理受け取ってくれる?」

A「いいよ。ニノは?」

「部屋からクッション持って来る。みんな来たらマー君の部屋の分じゃ足らなくなるでしょ?」


A「そうだね。俺は別にクッション入らないけど、ニノの分は確保していた方がいい。取っておいでよ」
 手を放してニコッと笑うマー君。

(普通の顔に戻っている…)

「料理受け取ったら、皿も出しとけよ!」

A「はーい」
 マー君は手を降って自分の部屋の方に走って行く。


(案外簡単に手を離されてしまった…)
 繋いでいた手を見ながら、口を尖がらしてみた。



M「ニノ?どうしたの?」
 潤くんが部屋から出てきた。


「ん。廊下出たら、ちょっと寒いかなって、いま上着取りに部屋に戻る所」


M「そうなの?出たばっかりの俺には丁度だけど…」
 半渇きの髪をかき揚げなら言う潤くん。

「もう料理がマーの部屋に届いていると思うから、テーブルに広げってもらっていい?」

M「いいよ。上二人にすきっ腹に酒だけは勘弁してほしいたいからね」


「同感です」


M「料理どんなのにした?」

「適当だよ。コッテリじゃなくて、でも、お腹にたまる物。あと。お酒のつまみを選んでもらった…」

M「お腹にたまる物か…」

「どうかしましたか…」


M「ゴメン。ちょっと俺も部屋に戻って取って来るものある」
 再び部屋に戻って行く潤くん。


「作ってくれるんですか?」
 俺の言葉は、誰からも返事が来ない。


(上着取ってきて、マー君の部屋で待ってたら分かるか…)

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