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虹色の精霊に導かれて…

第8章 ハワイの夜 1泊目 ②

松本視点

A「ニノちゃん…」

 雅紀の嬉しそうな声を背中で聞きながら、扉を少し開けて、廊下に立っている人を確認する。


(やっぱり、お前か…)


雅専属「ルームサービスをお持ちしました」

 ニコニコ笑っている雅紀の専属マネ『本郷 日翅』(ほんごう ひわ)
事務所に入って先輩方のマネージャーもメンバーの誰にも付かないまま、いきなり雅紀の専属になった変わった男。


(コイツ苦手なんだよな…)


「ん。サンキュー!!」
 ワゴンを受け取る。


雅専属「では、失礼します」
 一礼して持ち場に帰って行く雅紀の専属。


(案外、何も言わずに行っちゃったな…)



部屋に入って、扉を閉める。

キッチンに入るまでに、翔さんが頼んだ物を確認する。

「わ!何ぃこのジャック菓子の盛り合わせ…こんなの頼んだら、メシ入んなくないか…」

 チップスに、ポップコーン?みたいな激しい色の豆菓子が皿一杯に入っていた。


A「日翅ちゃんは?」
 雅紀がひょこっと現れた。

「コレ持ってきてくれたら、帰ったよ」
 ワゴンを押しながらキッチンに向かう。

A「そう…」
 少し寂しそうな顔をした雅紀。

「なんで、ココに来たの?」
(ニノに何か言われた?)


A「翔ちゃんが頼んだ、ジャンクってなに?」

 急に元気いっぱいな声をあげて、来たばかりのワゴンの布をめくる。

A「あーポテチがある♪」
 早速つまみ食いをする雅紀。

A「あ、うまい♪」
 ペロッと指先をなめて、もう一枚っと雅紀の手が出てきた。

A「イッて!」
 その手を思いっきり叩いてやった。

「見逃しは一枚だけ!」
 ちょっとにらんでキッチンにワゴンを運んでいく。

A「松潤が怒った!」
 大袈裟にカズの後ろに隠れる雅紀

N「今のはあなたが悪いと思いますよ」

 ニノが隠れた雅紀の頭をコンコン叩いていた。

「だよねー」

(こうなるから、ニノの所に居ろって言ったのに!
俺が受け取った意味がなくなるだろ!)

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