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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

二宮視点

 「かずなり」

名前を呼ばれた気がして、

目を開けると、マー君の顔が見えた。


(わ!!)

驚いて、跳ね起きる。


マー君が何も言わず、俺の顔を見ている後頭部が見える。


(後頭部?あ…)


眼下にマー君と俺の躰が見える。


(意識体になってるのか…)

自分の状況を確認していると、


A「大ちゃんや翔ちゃんは良くて、俺はどうして、ダメなのさ?」
 マー君が俺の顔を触り始める。



(おい!勝手に俺の躰を触るな!!)


思いっきり頭を叩く。

スカッと空振りする。


≪理解者!≫
 俺はいつものように、理解者を呼んだ。



理解者が側にいないと、意識体の状態では、他人の肉体に攻撃は出来たない。


≪おい!どこにいるんだよ!!≫
 理解者の気配は感じるが、傍にいない。


無抵抗の俺の体を触る手が震えているのが見えた。


(おい。雅紀?何考えてる?)

何度も、雅紀の頭を叩く俺。
もちろん、雅紀の躰には当たらない。


≪理解者!!いい加減 俺の傍に来いよ!!≫


(お…おい!なに赤い顔してんだよ…

 ま、まさかと思うけど、さっきのJの冗談を?

 真に受けてないよな?

 おい!

 や、やめろ…)



雅紀が俺の顔に顔を近づいていく


≪バカやろう!!!≫

 思いっきり叫んだ。


A「おやすみ」
 俺の額にキスをして離れていく。


(へ、おでこ?)

マー君は、俺の躰から離れると、部屋の電気を消し、ドアが静かに閉めて出て行った。



真っ暗になった部屋に理解者の声が聞こえた。


{ジュンの意図した者には、マーはなれないだろうなぁ…}



≪どこ行っていた?≫

{御仁と少々雑談をしに…}



部屋の温度が下がった頃‘輝く扉’が現れた。


(先に行って、待っててやろう…早く来いよ)

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