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虹色の精霊に導かれて…

第2章 ハワイの夜空の下で

大野視点

「わからない…」
 答え代わりの言葉がこぼれる。


本当に、わからないんだよ


『嵐のリーダー大野智』を演じているだけなのかもしれない


辞めるはずだった、事務所。

訳わからないまま、『デビュー』だって言われ、

先輩の冗談みたいな発言で『リーダー』って呼ばれ、


後ろ振り向くと、とっても綺麗な輝きが付いてくる。

辞められなかった…





   暖かい風が、おいらの髪を揺らす



{向かえがきたよ}
 温かい声が風がふいて来た方に導く。


「ぅん? あ…翔くん」
 振り向くと、サッシに片手をかけ、首を傾げている翔くんがいた。


S「なにしてるのさ!みんなのトコ行くよ!」
 すっと、手を差し出す翔くん。


「あ、うん…」
  翔くんの手を掴む。


 掴んだ翔くんの手はすごく、すごく温か…かった。


「あったかい…」
 自然と言葉か口からこぼれる。


(この手を握ると、不安が消えて…いくんだよな…)

S「いつから外にいたの?」
 翔くんが心配そうな目でおいらを見ている。


(翔くんの目…黒くて綺麗だ…)

「ん、さっき…」

(いつからだろう?そんなに…前じゃないと思う…)


S「こんなに冷たいのに!『さっき』はないでしょ? ずっとじゃないの?」

 さっきよりも、ずっと優しく手を擦っている翔くん。


「うーん…部屋に入って、着替えだして…あれ?着替えてない… 」
 来ている服を確認して、部屋に入った辺りからの事を思い出す。

(あ、そういえば、チラッと見えた外が綺麗だったから、シャワー前に夜景見ようって、電気消したんだ…)



{僕と一緒だったからね!}
 声がちょっと離れた場所から言う。


 翔くんはおいらの手を擦りながら、ベッドに連れていく。

(翔くんには、この声は聞こえないだ…)

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