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虹色の精霊に導かれて…

第14章 一瞬の交差

二宮視点

M「今、宴中ね?感情的にならないで…」
 ヤレヤレ顔の潤くんが俺に話しかけてきた。


(わかってる…でも…このごろ、人型の感情の浮き沈みが激しいんだ…)

誰にも言えない事だから、黙って下を向く。

お嬢{お水をどうぞ}
 差し出された小さなカップ。

「…ありがとう」
お嬢からカップを貰うと一気に飲み干す。

(浜地の水…まさかここで飲むことになるなんてなぁ)


キバタン『猴宮様もお心をおさめてください』
 白い鳥が人型理解者に頭を下げている。

(き、キバタン?なんで?)


宮『…羽の民か…仕方がない…お前の顔を立てよう』
 人型理解者が口を窄め下を向いたまま、黒い平安貴族衣装を着ている男性の方に走って行く。

?『宮様…』
 人型理解者を優しく抱き寄せる男性。

(え…あなたは…もしかして、翔ちゃんの…)

ガン見しているのが分かったのか、平安貴族衣装の男性が微笑んだ。

(やっぱりそうだ!ソレ!翔さんが『翔ちゃん』の時の微笑みだよ!!)



モモ{桃木様…祥太郎様!!}
 潤くんのモモが人型理解者の側にいる男性に突進していく。


一歩一歩進むたび、狼の姿から人の姿になって行く。


(え!!モモって人狼だったの!!)


桃『純ノ助?』
 半信半疑な顔のモモノキさんがモモに向かって立っている。


純『はい!お目にかかりとうございました』
 人狼になったモモはボロボロ涙をこぼしている。


人型理解者がモモノキさんから離れる。


桃『純ノ助!』
 モモを両腕できつく抱きしめるモモノキさん。


宮『犬………主であったのか…』
 とても寂しそうな顔する人型理解者。

純『宮様は…』

宮『フン!!!』
 扇子を開いて、顔を隠す人型理解者。


(二人の会話が聞き取れない…

 たぶん 人型がブロックしている)




≪そうだろ?理解者≫

{今の宮様は不安定だ カズナリからの刺激は避けた方がいい}

≪わかった。調整を頼む≫

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