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虹色の精霊に導かれて…

第3章 出発点への道

二宮視点

 大野さんが車から出て行った。

 チーフが追っていく。

(なんだ!この展開…よめないよ!状況を整理したい!!)


≪集まれ!俺の“理解者”≫

目の前に無数の光る珠が現れる。


その一つから声がする

{カズナリ…どの情報が必要か?}


≪まず。リーダーは無事?≫

{今しがた、チーフに捕まった}


≪よし!どうして、こんなことになった!≫

{彼女からショウと一緒に居たいと連絡が来た}


彼女!またそいつか…

“彼女”翔さんの事が大好きらしい。で俺たちは嫌いみたいだ。
絶対会わない。

一度 翔さんに『会いたい』ってお願いしたら、ものすごく困った顔して『ダメだ』っと首を振っただけで、一切その話をしなくなった。


(だから、あんな電話の受け答えだったのか…そいつが出てくると、チーフ逆らえない…みたいだし…

どんだけ“力”があるんだ!その“彼女”ってヤツ…)


 体が震えだした。

(やっとここまで、築いてきた関係を放すものか! 壊すもんか!!!)

≪理解者!ベストじゃなくてもベターでいい…状況のシュウセイと行動予測、後…後…どうすれば…≫


{カズナリ!

カズナリ!落ちつけ…まずは目の前のマーを}

(まー!!)
 リアル視点に戻すと、まーくんが泣いていた。


A「ニノ…俺、大ちゃん怒らしたのかな…」
 30越えの大の男が立ったままシクシク泣きはじめる。

 理解者が周りを忙しく周りを飛んでいる。

足もと崩れそう…引き止めなきゃ…

「まーくん…」
 手の甲を軽くぶつけて気持ちをこっちに向ける。

A「ぁズぅ~」
 もう言葉になっていない。

「大丈夫。大丈夫だよ!」

『大丈夫』その言葉は、まーくんへではなく、自分に言っているような気分だった。

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