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虹色の精霊に導かれて…

第34章 だまし だまし

大野視点

車の中でドンドン顔色が悪くなる和也。

それなのに、自分の事より周りの事に気を配っている。


「俺のそばにいればいい」
言葉で言っても、はぐらかせれそうだから体を引きよせる。

(抵抗しない…)

N「はい…」
 小さく返事をする和也。


(体が 熱いなぁ… 何とかしないと…)


A「お待たせ!」
 勢い良く帰ってきた相葉ちゃん。

 俺たちの姿を見て顔が強張る。


「早っ(とちり!)」
相葉ちゃんに説明したいけど、抱き寄せている和也を動かしたくないから、動く事が出来ない。


M「じゃ 次ぃ俺行く」
 松潤が俺をチラッと見て、立ち上がる。


A「マキで!!」
 普通の顔に戻った相葉ちゃんが腕をブンブン振る。

M「わーってるよ」
 松潤が苦笑しながら出ていく。

(気づいてるかなぁ)

A「大ちゃんも行きなよ ニノは俺が見てるから…」
 相葉ちゃんが和也の隣にゆっくり座る。

N「なんで『相葉さん』に見てもらわないといけないんですか?」
 俺にギュッと抱き付いた状態で『さん』と呼んだ和也。

 少し顔色が変わる相葉ちゃん。


A「体?痛いんでしょ?さっきだって、ハイタッチできなかったし…」
 俺の存在を無視して和也だけを怒ったような目で言葉を続ける相葉ちゃん。


「相葉ちゃん」
和也に向けた言葉を遮る。

相葉ちゃんがコッチを向いたから、小さく頭を振る。


A「あ ごめん…」
 ふうと少し息を吐いた気持ちを落ち着かせて、ゆっくり、やさしく、和也の手を取る相葉ちゃん。

 ブーっと口を尖がらす和也。それでも、俺から離れていく。


「ふふ じゃ 先に行くね」
和也をフワッと離して立ち上がる。


 口を開けたままの不安そうな和也。


(大丈夫 相葉ちゃんも側に居てくれるよ)
ニコッと笑って車から出て嵐ハウスに向かう。



翔くんがハウスから出てきた。

「あ 翔くん!ニノの着替えナシにして!」
言いたい事をそのまま伝える。

S「ん?なんか、ありそう?」

「まだ だけど いろいろ…」

S「うん わかった」
 翔くんが嵐ハウスに走って戻る。

俺も急いで中に入る。

 中にいた松潤と話している翔くん。

 翔くんがスタッフから上着だけを受け取った。


S「着替えたら 直ぐ帰って来てね」
 すれ違う時にニコッと笑う翔くん。

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