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虹色の精霊に導かれて…

第36章 だまし だまし ふらつく

二宮視点

S「お邪魔かな?」
 翔さんが俺たちを伺うように車に入ってきた。


A「ううん 今ニノに ちゃんと 言葉で伝えてる」
 マー君が静かな口調で言う。


S「そう?」
 翔さんが俺を見る。


(調子狂うでしょ?)
説明のしにくいマー君の行動について、肩を窄めて返事をする。

翔さんも、ふーんと言う顔で、マー君の行動をスルーした。


(そうなるよねぇ)


S「これニノの服」
 翔さんが衣装の上着を差し出す。


(上着だけ?)
服を受け取りながら質問した。
「着替えなくていいんですか?」



S「無理しなくていい…『この上だけ着ていけ』ってチーフ判断。」
 さっき座っていた席に座りながら答える翔さん。


(その顔を違うな、さっき回復薬飲んだから…体調良くなる…)


A「甘えれる所は 甘えよう?」
 マー君が俺の持っている上着を取る。


A「まずは、その上抜かないと…」
 小声で言うマー君。


(ここの方が狭い…)
車のドアが静かに開いて、潤くんが入ってきた。


 マー君は衣装の上着を畳んでくれた。



M「そうだよ 何回も言うけど、明日もあるから」
 潤くんが優しい口調で俺に言う。


(どうやら、みんなの心配が俺に集まっているようですね)
「わかりました。
 でも 汗は拭きたいので、おしぼりとシャツの替えを取りに行きたい…」
ゆっくり体を起こして 肩や首 体の色々な所の関節を動かしてポキっポキっと音をたてる。


A「俺 取って来る!!」
 勢いよく立ち上がったマー君が車から飛び出ていった。

車に残った三人。


「翔さんの判断でしょ?コレ」
マー君が居なくなったから、感情そのままの声で衣装の上着を指さす。

S「ううん 智くん判断。」
 片手と頭をゆっくりふる翔さん。

(大野さんの…)

S「で、チーフ判断にしたのは、松本氏 な?」
 翔くんが隣に座った潤くんの肩をポンポンと叩く。

 潤くんが少し前のめりになって
M「その方が 相葉くんの『不安要素少なめ』かな?って思ったわけよ」


(なにそれ?)
「私よりも 相葉さん優先なんですねぇ」


S「負担を分散させないとネ」
 翔さんが俺をジーッとみている。


(バレてたのか…)
翔さんが言葉にしないから、いたたまれなくなって下を向いた。

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