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虹色の精霊に導かれて…

第42章 うちうちの 内側

相葉視点

車の後部座席に入って行く 翔ちゃん 大ちゃんについて俺も入って行く。

この『空間の移動』は本当はしちゃいけないモノ なんだって

でも 今日のニノをみて“みんな”は この『移動』を選択した。

僕は みんなの判断を尊重する。



O「椅子を!」
 空間から出たら大ちゃんの大きい声が聞こえる。

(椅子?)


橋本「はい」
 俺の側に車いすを転がして近づいて来る橋本さん。

(車いす? あぁ ニノを乗せるのか…)


O「和也 もう いい 座れ!」
 少し語尾を強めに言う大ちゃん。


その声を聞いたニノの体が、ガクッと崩れた。

「わ!」
崩れるニノの体を支えようと体を向ける。

M「よぉ!」
 俺より先に潤ちゃんの手が、後ろからニノの腕を掴んだ。

「あ!」
ニノの体からドンドン『生きてる感』が薄れていく。

O「ああ ゴメン! ちょっと 早かった?」
 ニノを支えている潤ちゃんに声をかけて、ニノの脇に自分の肩を入れる大ちゃん。


「おぉ(ちゃん!!
 ここだから いいけど

 大ちゃんの声は 俺たちの体にものすごい影響があるんだよ!!)

俺の訴えに反応しない大ちゃん。

「だぁ(から ちょっと 聞いてる?)

O「下ろすよ」
 大ちゃんが車イスにニノの体を下ろす。

(今のニノは、

 ああ そんなふうに持ったら 体に跡が残る!!)

体の角度とか、座る位置とか、気に入らなくて、潤ちゃんと大ちゃんを押し退けようと体をうごかす。

S「雅紀」
 翔ちゃんに腕を引かれ抱きしめられた。

(ちょっと 離してよ!)
いつもならスンナリは離れれる翔ちゃんの腕が払えない。

それどころか、自分の手や足が小刻みに震えている事に気づいた。

「翔ちゃん…」
翔ちゃんの腕にしがみつく。

S「大丈夫だよ」
 翔ちゃんが背中を摩ってくれる。


(俺…どうしたんだろう

 苦しい… 胸が?

 違う…

 痛い…どこが?

 わかんない…

 この  痛いの なに…)

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