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虹色の精霊に導かれて…

第42章 うちうちの 内側

櫻井視点

N「翔ちゃん…」
 ベッドに寝かされている和也が俺を呼ぶ。

「気が付いたか?」
和也の近くに駆け寄る。

N「ご、ごめんね…大事なライブなのに…」
 ベッドからか弱く手を出すカズ。

(こんな状態でも、ライブの事気にして…)
しっかり握って「大丈夫!」と言う。

 和也の目尻から涙がこぼれる。

「大丈夫!大丈夫だよ この先生。メジャーリーグの選手とかのメンテもしてるって言ってたから、明日のライブできるから!
 今は、眠って…点滴に安定剤入ってるから、眠くなるよ…
 ちゃんと起きるまでそばにいるから、安心して…」

頭を優しくなぜる

N「うん、うん、そばにいてね…」
 小さく頷いて目を閉じる和也。

{桜の子よ わたくしの依代はそのような事言っておわぬぞ}

≪方便ですよ この子には 優しい嘘を……その方が 器にも魂にも良い方に進みます≫
眠ってしまった和也の頭をゆっくり触る。


{人の縁(えにし)は わたくしには わからぬが 其方は すべて 我(わ)の方に引きよせるか}

≪ええ 私は頂に立ちたいのです≫

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