君と別れるための5つの条件
第1章 君と別れるための5つの条件
広い部屋に男が二人、テーブルを挟んで向かい合って座っている
目の前に置いてあるよだれが出そうなほど美味しそうな晩御飯に目も向けず……
重苦しい空気の中、28歳の割には随分幼い顔をした村瀬桃李(むらせ とうり)が意を決したように口を開いた
「俺らもう別れよ……」
「は? なんで?」
突然の別れ話に桃李の3歳年下の恋人である小野田翔太(おのだ しょうた)は整った顔を少し歪める
いつも優しい翔太からは考えられないようなドス黒いオーラが溢れ出ている
「……他に好きな人ができたから」
そのオーラに負けないように声を発するが、合わせた目はどうしてもよそを向いてしまう
付き合い始めてから今まで喧嘩すらろくにしたことがないようなラブラブなカップルだったのに、突然の別れ話
しかも、一方的な理由で、だ
翔太は悲しむだろうか……
いや、悲しまない
きっと怒るだろう……
なんだったら、呆れられて怒られすらしないかもしれない
桃李はやってしまったと後悔した
が、翔太は予想とは真逆の答えを口にした
目の前に置いてあるよだれが出そうなほど美味しそうな晩御飯に目も向けず……
重苦しい空気の中、28歳の割には随分幼い顔をした村瀬桃李(むらせ とうり)が意を決したように口を開いた
「俺らもう別れよ……」
「は? なんで?」
突然の別れ話に桃李の3歳年下の恋人である小野田翔太(おのだ しょうた)は整った顔を少し歪める
いつも優しい翔太からは考えられないようなドス黒いオーラが溢れ出ている
「……他に好きな人ができたから」
そのオーラに負けないように声を発するが、合わせた目はどうしてもよそを向いてしまう
付き合い始めてから今まで喧嘩すらろくにしたことがないようなラブラブなカップルだったのに、突然の別れ話
しかも、一方的な理由で、だ
翔太は悲しむだろうか……
いや、悲しまない
きっと怒るだろう……
なんだったら、呆れられて怒られすらしないかもしれない
桃李はやってしまったと後悔した
が、翔太は予想とは真逆の答えを口にした