君と別れるための5つの条件
第3章 一緒に寝る
「今日はありがとうございました。ケーキとお茶までいただいてしまって……」
男は申し訳なさそうに目を伏せる
「いいんですよ!美味しいって言ってもらえましたし、それが一番嬉しいんです!」
男は何度も代金を払うと言ったが桃李はそれを受け取らなかった
結局、またこの店に食事しにくることで話はおさまったのだが、男は納得いかないらしい
「また来てくださいね!約束ですよ?……えと……」
言葉に詰まった桃李を見て男は不思議そうにしていたが、大切なことを忘れていたことに気付き申し訳なさそうに口を開いた
「名乗ってなかったですね。失礼しました。私は小野田翔太と言います」
そう言いながら桃李に名刺を差し出す
それを受け取った桃李は嬉しそうにそれを見つめて、ハッとする
「すいません、俺も名前言ってなかったですね。村瀬桃李です。……また来てくださいね、小野田さん‼︎」