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君と別れるための5つの条件

第4章 過去

翌日、楽に指定された通りに二人で桃李のカフェへと向かう


「俺、自分の店に行くだけなのにすげー緊張してる。なんていうか、今から処刑される感じ」


「ふふ、なんですか、それ。そんなに緊張しなくても大丈夫だと思いますよ。それに、桃李が処刑されそうになっても俺が助けます!」


こんな感じで、たわいもない会話をしながら歩いているうちに店の前まで来ていた
先ほどまでとは比べ物にならない緊張が桃李を襲う


今日の朝二人で話し合って楽には付き合うことになったことを伝えることにした
緊張なんてしなくても楽なら自分のことのように喜んでくれると思う
それでもかつて思いを寄せた人、そして今は大の親友であり頼りになる仕事仲間だ
そんな人に大切な人を紹介するのだ
緊張しないはずがない


ゆっくりと扉に手をかけ、深く深呼吸をする


「大丈夫」


そう言って重ねられた手を愛おしく思いながらそっと扉を押し開けた

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