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♂×♀時々♂×♂

第1章 自己紹介的プロローグ

「…啓太…俺……俺は…その…お前が可愛くて仕方が無いんだ。……俺は…ゲイ??なのかな??」


と俺は啓太の髪に指先を絡めて
応えを待っていた。

すると啓太は俺の腕の中で、


「…違うよ。か…海斗は…僕とは違う。女の子も好きでしょう?…彼女居るもんね。だからきっと…バイセクシャルなんじゃないかな?」


と静かに言った。

どことなく高めの啓太の声が、
俺の頭の中を駆け巡っていた。


(…バイセクシャル??)


「じゃっ…じゃぁさ…お前は??啓太は…その…ゲイなんだよな??男の俺が好きなんだろ??」


その辺りの事はまだ未知数過ぎて、
今の俺には理解不能に近かった。


「…嫌…そうじゃないんだ。僕は………」


と啓太は一瞬言葉を詰まらせる。
俺は続きの言葉を
静かに待っていた。


「僕は……心は女の子なんだよ。性同一性障害…って知ってる?俗に言う…オカマちゃん…ニューハーフ。僕は…そっちなんだ。」


(…性同一性障害…ニューハーフ?!?)


俺は思わず啓太の肩を掴むと
バッと離して顔を覗き込む。

言葉が出てこなくて、
ただただ見つめていた。


(…嫌……今でも十分女の子みたいだけど…)


それよりも……
俺は……
いったい……


何が好きなんだ?!


男?女?……ニューハーフ??


頭の中がぐちゃぐちゃ過ぎて
俺は男だよな?とか
訳の分からない自問自答を
繰り広げていた。

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