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♂×♀時々♂×♂

第1章 自己紹介的プロローグ

「…困らせちゃった?…よね。…その…いつかは…女の子として生きてみたいなって…思ってる。」


ただただ見つめていた俺に、
啓太はそう言って微笑んだ。


「ん、あぁ…うん。…てか…今でも十分女の子っぽいけどな。ハハ…あぁ…そうか。そう言う事か。」


女の子として生きる…
そう聞いて、ますます愛し方が
分からなくなってしまった。

男として見れば良いのか
本当は女の子…
だと思いながら接すれば良いのか…

その場合…
どう………抱けば良いのだろう。

また考え込んだ俺に、


「ごめんね…。困らせて。海斗の思う様に…してくれていいから。大丈夫だよ…僕は。」


と言って啓太が見せた寂しそうな笑顔に、
俺は胸が熱くなった。


「…困ってねぇよ。……俺の前だけは…女の子でいてもいいから。そんな顔すんなって…昨日も言っただろ。」


と俺は啓太にキスをした。
触れるだけの優しいキス。


「…部屋…行く?あっ…その…別に…」


と言い訳をしようとしたけど、
何だか嫌になって…


「…啓……嫌…お前を抱きたいんだけど。」


と耳元に囁いた。

名前を呼ぶよりも、
お前…と呼ぶ方が
女の子っぽくて良いかな?って
そう思ったから。

すると啓太は、


「…ありがと。部屋…行きたい。」


と嬉しそうに笑った。

きっと、俺の気持ちが通じたんだと
そう解釈して、
俺は啓太の頭をポンっとすると、


「…行こ。」


と手を繋いだ。

はにかんだ啓太は…
凄く綺麗で…
可愛くて…
俺の胸を締め付けた。
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