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Blast of Brilliant STARS

第7章 迷彩祭り

【millieさま・山、大宮】平安皇族③



櫻の君の通いが途絶えた。

僕を本当の名で呼んでくれる声が聞こえない…。

また、僕の周りは静かになった。


もとの日々に戻っただけなのに、なぜこんなにも寂しいのだろう?

虚しく惨めな自分が嫌になる。


いっそ世を捨てればと思うが性別を偽る身では出家することも叶わないだろう…。


簀子縁で戯れる小鳥のように自由な翼を得られたら…。

脇息に凭れ、叶わぬ事を夢想する。


「姫様、大変でございます」

女房が慌てた様子でやってきた。


「なにが…?」

僕が問いかけるのに被さるように女房たちの悲鳴のような声が聞こえた。


「お待ちください、二の宮様」

「あちらは…」


足音が聞こえ、人の気配が近付いてくる。

乱暴に御簾が払われ、烏帽子に朽葉の直衣を着た殿方が入ってきた。


咄嗟に手元の扇で顔を隠すも恐怖で身が竦み動けない。

そんな僕のもとに歩みより手首が掴まれ顔を覗かれる。

「ようやく逢えた、青の姫」


帝の第二皇子、二の宮様。

体がふわりと浮き、そのまま連れ去られる。


「もう離さない…君のすべてをもらうよ?」


櫻の君…。

僕は…君が…。

自分の気持ちさえも自由に出来ないんだね…僕は…。



とにかく明るいミリィさん
2015-10-24 18:26:58


〉第三弾、投下してみました。

二の宮に連れ去られた青の姫。

さて、どうなるんだろうね?

自分のが進まなくてこんなことばっかりしてるわ。

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