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Blast of Brilliant STARS

第7章 迷彩祭り

【のさまじょさま・山】平安②



乳人が締めていった板戸をほとほとと叩く音がする。

「だぁれ…?」

まだ十五歳にもならない俺は、なんの警戒心もなくその戸を開けた。


月明かりを背負って、突風のようにその人は現れた。

「櫻の宮…」

「匿えよ」


「どうしたのですか…?」

「大ノ亮、少しは頭を使え」


そっか…こんな時間に逃げてくるってことは…間男してたのか…


冷えきった身体に、ふんわりと着物を掛ける。

驚いた顔をして俺をみる皇子に、にっこり笑いかけた。


「頭を使ってみました。ゆっくりとお休み下さい…」

そういうと、立ちあがって部屋を明け渡す。


と、思ったらぐいっと腕を引っ張られた。

勢いで、宮の腕に倒れこんだ。


「亮…まだここに居ろ…」

宮は、そういうとゆっくりと俺の唇に自分のそれを重ねてきた。


「ちょっ…」

抗っても手首をきつく掴まれて、突き放すこともできない。


「やめてっ…!」

やっと離してくれたと思ったら、とても悲しい顔をした。


「亮…俺のこと、嫌い…?」

あんまり悲しそうな顔をするから、何も言えなかった。


それから幾年月…

俺は、宮に愛され続けた。

その理由もわからないまま。



のさ☆魔女さん
2015-10-24 21:50:21


〉平安絵巻、第二弾。
櫻の宮、大ノ大夫編w

櫻の宮は皇子だから、呼び名は変わっていませんが、大ノ大夫の「大夫」は役職なので、若い時は一個したの「亮」と呼び名を変えています。

って、こまけーなw
そんなネタ解説いらねーよねw

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