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Blast of Brilliant STARS

第10章 ジャポニズム②

【のさまじょさま・山】



「あ…聴こえる…」


今日もセイレーンの鳴き声が聴こえた。

海辺のサナトリウム。

ここに入って半年になる。


夜半になると、どこからか歌声が聴こえた。

俺はそれをセイレーンの鳴き声だと思うことにした。

とても綺麗な声だったから。


車いすを押して、窓辺に近寄る。

見渡しても姿は見えないけど。

いつもありがとう。

その歌声にとても癒やされる…

目を閉じると、そのまま深い眠りに引き込まれた。


翌朝目覚めると、コードや管が身体から伸びてて。

またやってしまった。

暫くまたベッドに釘付けかな…


いつ果てるとも知らない命。

そんなものを大事にできるわけもなく。

俺は残りの命を吹き消すことばかり考えていた。

夜半にセイレーンの歌を聴くことだけが俺の楽しみだった。


「櫻井さん…」

隣の部屋の大野さんが訪ねてきた。


「また寝込んでる」

「情けないことです」

そう答えると、眉をハの字に下げた。


「仕方のない事です」

そういうとふんわり俺の髪を撫でた。


不意に大野さんが歌い出した。

「セイレーン…」

にっこり笑った。

「また歌うから…元気、出して」



のさまじょさん
2015-11-05 20:01:58


〉気分を変えて、病院モノっ!
セイレーンとはギリシャ神話に出てくる怪物で~す。
美しい歌声で、海を航行する船を惑わす悪いヤツ。

でもこのセイレーンは櫻井さんを救ったようです☆

純愛でもエロでもなくてごーめんなさいっ
イメージは領のお姉さんの病院だよ☆



〉サナトリウムは、療養所なのね。
また一つ、物を覚えたわ…ありがとう。

プラネタリウムみたいで?美しい響きね。

サイレーンと聞いて、
FFの召喚獣を思い出したわ…
隠れゲーマーで、ごめんあそばせ。


隣の智さんは、密かに翔さんを
励まし続けていたのね…感動的だわ。

智さんの歌声、癒やされますものね…♡

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