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Blast of Brilliant STARS

第10章 ジャポニズム②

【のさまじょさま・にのあい】



ぴちゃん…


水滴、止まらないな…

病室にある洗面台の水栓の締りが悪くて、ずっと水滴の音がする。

一定の間隔で音が途絶えない。


次の音が聞こえなくなったと思ったら、部屋が急に冷えた気がした。

布団から顔を出して、辺りを伺う。


どんどん冷たさが這い登ってくる。

真夜中、時計は二時を指してた。

ぶるっと身体が震えた。


ナースコールに手を伸ばそうとしたとき、そっと手に冷たいものが触れた。

「ひっ…」

思わず手を引っ込めると、その手は俺の頬に触れた。

「和…」

「まあくん…」


にっこり笑うと、俺の手を引いた。

俺を抱きしめると、ふぅと息を吐いた。


「やっと…和に触れられる…」

そういうと、俺を見つめた。


「和…迎えに来た」

「ホント…?連れて行ってくれるの?」

「うん。行こう」


嬉しかった。

やっと…まあくんと行ける。

病み衰えた細い腕を、まあくんの首に回す。


「だいすき…まあくん…」

「俺もだよ、和…」




次の朝、その病室に彼の姿はなかった。

シーツの剥がされたベッドと水滴の音だけが、病室に残されていた。



のさまじょさん
2015-11-11 22:47:55


〉う…ホラー書こうとして、途中でやめてしまったw
ニノ、好きな人に導かれて良かったなあ…
って、書いた人がいうなw



〉うぅ…泣けるホラーだわ。

「やっと触れられる」ようになったのは
ニノがまーの場所に近づいた為かしら…

迎えにきてくれるなんて、優しいわ。

現世も冥府も超越した愛ね。


水のある場所に霊は集まる…

一番出やすいのは2:14と聞いた事があるわ。

あの世とこの世の狭間の時間ですって。

あらやだ、ちょうど今過ぎたとこね…

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