煩悩ラプソディ
第14章 恋も二度目なら/SA
それからの俺たちは、今までが嘘のようにグッと距離が近くなった。
どこか恥ずかしさがあった"雅紀"呼びもすっかり慣れてきて。
朝は、少しでも一緒に過ごせるようにと起きる時間を早めてみたり。
夜は、雅紀の帰りが遅くなる日は苦手だった料理を頑張ってみたり。
俺なりに雅紀との時間を大切にしようと心がけてるつもりで。
あとは…うん、あれだ。
あの日、雅紀と初めてのキスをして忘れかけてた感覚が蘇ったのは確かだった。
見たことないような色っぽい瞳で見つめられて、体の奥から疼いてくる熱を自覚した。
それは雅紀も同じだったようで、抱き締め合った体から伝わる熱がそれを証明していた。
だけど…
正直、どうしたらいいか分からなくて。
それ以上先に進むことができなかったんだ。
どうしようもなくてしばらくぎゅっと抱き合ってたら焦げ臭い匂いがして慌てて鍋の火を止めたっけ。
つぅか…
そもそも男同士ってどうやって愛し合うの?
今までの俺の人生で、そういう類のことは見ても聞いてもしてきてないから。
仮にある程度の情報を知識として入れたとしても…
実際にやるとなると、って話で。