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煩悩ラプソディ

第14章 恋も二度目なら/SA






マジか…



それは…



なかなかの…!



「や…櫻井さんほんとに知らなかったの?」

「え?」

「つぅか相葉さん知ってんじゃないの?」

「あ…」



なぜか楽しそうな先生にそう言われて、また頭の中にあの艶めかしい雅紀が現れる。



え…もしかして雅紀、知ってんの?


そんなの知ってて当たり前だからわざわざそのことには触れてないってことか?



ちょっと待って…



なんか俺…



めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど…!



堪らなくなって頭を抱え込むように赤い顔を隠しながら項垂れた。



…つぅかさ。



ふと隣の先生を見遣ると、眼鏡をとって目をごしごしと擦りながら眠そうに目をしぱしぱさせている。



「あの…先生は…なんで知ってるんですか?」

「ん?なにを?」

「いや…その、男同士の…」

「あぁ、んーとね…」



眼鏡を手元で弄びながらふいにこちらを向いて口を開いた。



「ヤったことあるしね、俺」



顔色ひとつ変えずにサラッとそう言ってのける。



「……はぁっ!?」

「…あ、ごめん呼び出し。
行かなきゃ」



眼鏡をかけながら白衣のポケットで震えるPHSを手に取り、ココア缶を振って"ごちそうさま"とふにゃり笑う。



…待って待って!


そんな爆弾落としてかないで!



先生の衝撃発言にあわあわしていると、立ち上がりかけた先生が思い出したようにまた座った。


そして固まる俺に短く耳打ちしたあと、手をひらひらさせて病棟へと戻っていった。



暖かな日差しの下、スズメのさえずりと子どもたちの遊ぶ声を遠くに聞きながらベンチで呆然とする。


脳内にリフレインし続ける先生の耳打ち。



"挿れるか受けるか決めなきゃね"



…どうしたらいいんだあぁーー!!

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