煩悩ラプソディ
第17章 笑顔に紛れた大怪獣/OAN
相葉ちゃんに跨られ両手首を頭の上で抑え込まれて、シャツを捲られた状態のにのがそこに居て。
白い脇腹の上の小さい粒が、シャツに見え隠れしてて妙にヤラシイ。
「ちょ、この人っ…どうにかしてっ!」
身を捩りながら俺を見上げて助けを求めてくるけど。
…ごめん、にの。
俺もけっこうキテんだよ。
「…相葉ちゃん、もうすぐ撮影だから早くやっちゃおっか」
相葉ちゃんの背中にそう言うと、振り向いて口の端を上げて頷いた。
その奥のにのの顔が一瞬で固まったのがわかった。
「は…?ちょ、ここ楽屋だっ…んん!」
反論しようとしたにのの顎を掴んで、相葉ちゃんがその尖らせた唇に噛みつくようにキスをする。
両手を束ねられてじたばたしてるのもお構いなしで、にのにその体ごと押しつけるみたいにのしかかって。
「ふっ、はぁっ、も…やめ、」
「やめない。わかるまでやめない」
「んうっ、いたぃ…って、」
相葉ちゃんの左手で押さえられたにのの両手首が、痛みで歪む顔の上でソファに沈んでる。
…あ、なんか妙にコーフンしてきたぞ。
にのの細い声に顔を離した相葉ちゃん。
跨ったまま肩で息をしながらにのを見下ろしてる。
「はぁ…大ちゃん、こっちお願い」
相葉ちゃんに示されて、ソファに押さえつけられたにのの背中を後ろから抱きとめる。
両手首を受け渡されると、にのが涙で潤んだ目を俺に向けた。
…そんな顔すんなよ。
そんな目で見られたらたまんなくなるだろ。
つうか…
その顔、誰にでもしてんのか?
ふとそう思ったら簡単にスイッチが入っちゃって。
相葉ちゃんのこれまでの押しに我慢してたけど、もうそんなのどうでもよくなった。
今までも何度かにのには警告してたはずだった。
その度に、相葉ちゃんや俺が口うるさく伝えてたのに。
…言っても分かんねえなら、こうやって教えてやんなきゃな。