煩悩ラプソディ
第17章 笑顔に紛れた大怪獣/OAN
「泣かないでよ…なんか悪いことしてるみたいじゃん」
相葉ちゃんがにのの頭をさわさわと撫でながら眉を下げてポツリ呟く。
「悪いことしたのはどっち?ねえ、にの」
「んっ、ぅ…」
いつもの優しい声でいつもの優しい眼差しだけど、目の奥は全然笑ってない。
くっと相葉ちゃんが腰を動かすとにのが小さく呻きながらぎゅっと目を瞑って、また涙がぽろっと零れた。
間近でこんな光景見るのなんて初めてで。
ま、当たり前か。
なんだ…なんか、ものすごい興奮するっていうか。
にのと相葉ちゃんとの関係に俺が後から入り込んだから、こうして三人でヤることもたまにあったけど。
なんせここは…楽屋だからな。
いつ誰が来るか分からない、しかも俺たちはこの後も仕事があるのに。
…こんなシチュエーションなかなか味わえねぇな。
目の前の景色を見つめながらそんなことをぐるぐる考えてると、相葉ちゃんが口を開いた。
「はぁっ、ん…ありがと、にの。超気持ち良かった。
あ、ごめん大ちゃん、お待たせ」
にのの口から相葉ちゃんのを引き抜くと、俺に優しい眼差しを向ける。
ずっと奉仕してたにのは、こてっと俺の首元に頭を預けて小さい息を繰り返していて。
「次は大ちゃんの番ね」
そう言って羽交い締めてる俺の腕を解くと、今度は相葉ちゃんがにのを後ろから羽交い締めにして反対側の肘掛けに凭れかかった。
「はい、どうぞ」
明るい声で呼びかける相葉ちゃんのやや下で、眉をしかめてうるうるした目で俺を見上げるにの。
「…もぅ、やだ、」
「え?なに?」
「もっ…いやっ、」
その小さい声に覗き込みながら聞き返す相葉ちゃん。
にのがとうとう本気で泣き出してしまった。