煩悩ラプソディ
第24章 半径3mの幸福論/SA
「ふぁっ…!」
途端にぴくっと体を跳ねさせて反応した雅紀。
一度触れただけなのにすぐにぷくっと尖った胸の先に、思わずごくりと息を呑みこんだ。
そんなに…
気持ち良いの…?
「雅紀?いいの…?これ、」
「ぁっ…やっ、だ…」
尚も指先を動かしつつ、はぁはぁと息を漏らす雅紀の耳に囁くように問いかけてみる。
ぴったりつけた耳と頬は異様に熱く、雅紀の熱がダイレクトに伝わってきてこの上ない興奮が込み上げる。
そのありのままの反応が堪らなくて、指先でくにくにと潰したり優しく撫でたりすると、その度に雅紀から色っぽい声が漏れてくるから。
「はぁっ…しょ、ちゃ…やだっ、」
「っ、ほら…こう?」
「んんっ!はぁっ…もっ、待っ…て、」
その声をもっと聞きたくて、膨れた胸の先を執拗に弄んだ。
その間も、手中の滑らかな熱い欲からは密が伝い溢れ、しとどに濡らしていく。
夜の帳にいやらしく響く水音が、研ぎ澄まされた聴覚に効果音のように纏わりつき。
目も眩む程のこの光景を自分で作り出しているのかと思うと、庇護欲のような支配欲のような何とも言えない感覚が押し寄せてきた。
やがて全体重をかけるようになだれ込んだ雅紀は、俺の胸元でぎゅっと目を瞑り荒い息を吐きだして。
俺も男だから分かる。
多分、そろそろ限界にきてる。
とにかく、雅紀に気持ち良くなってほしい。
俺の手で、俺を支えにして。
…俺だけを、考えて。
「はぁっ…あっ、やば、翔ちゃんっ、」
「っ、雅紀っ…イキそう?」
限界の合図が雅紀から漏れ、強張った左足が湯気の立つ水面を小刻みに波立たせる。
「あっ、翔ちゃっ…翔ちゃんっ…!」
うわ言のように俺の名前を呼ぶその姿に、俺までも達してしまいそうな錯覚に陥って。
「あぁっ…イっクっ…あっ、翔ちゃっ…!」
「っ、雅紀っ…」
発せられる声に合わせ手の動きを速めて擦り上げると、一瞬体がきゅっと強張って手中に熱い白濁が吐き出された。