煩悩ラプソディ
第24章 半径3mの幸福論/SA
「はぁっ、待っ…だめっ、」
「んっ、雅紀っ…」
雅紀の中の指は、いつの間にか抵抗なくスムーズに動くようになり。
一段と反応するその場所をぐりぐりと攻めながら、左手を互いの腹の間にそっと忍ばせる。
「あぁっ!」
「っ!」
揺らめく水面下で互いの猛った自身を一緒に包み込むと、思いがけない快感に自分自身驚いてしまった。
熱い湯の中で擦れ合う俺と雅紀。
ゆるゆると動かしつつ先端に触れれば、纏わりつく互いの密を指先で感じて。
これはっ…
マジでヤバいな…
「ぁっ、ん…しょうちゃ、待ってっ…」
「雅紀…ヤバいかも、これっ…」
雅紀の中に埋め込んだ指は絶えず動かし続け、左手も丁寧に扱いていく。
段々と荒くなる呼吸に、まるでもう雅紀の中に挿入しているような感覚になった。
雅紀の反応に合わせてとぷん、と波打つ水面を感じながら、埋め込んでいる指に意識を持っていく。
雅紀のポイントは分かったけど、まだ十分に拓いているわけじゃない。
指をもう一本挿れてみたほうがいいのか…?
そんなことを考えていた時、急に雅紀から漏れる声が早まって。
「あっ、あっ…」
動かし続けている左手の質量が、ぐっと増した気がした。
「…あっ、やだっ、やばいっ…翔ちゃんっ…!」
切羽詰まった様なその声に、驚く間もなく。
肩口に項垂れていた雅紀が顔を起こし、俺の頬に沿いながらそのまま塞ぎ込む様に唇を重ねてきて。
勢いのままに割り開かれた口内を熱い舌で撫でられ、急激に中心に熱が集まりだす。
雅紀にしがみ付くように跨られ、余裕もなく唇を塞がれて。
柔らかな雅紀の中と、熱い昂りを一緒に感じ。
また快感に呑まれようとしている雅紀を目の前に、その手を止めることなんてできなくて。
「っ、はぁっ…だめっ、またイっちゃ…」
「いいよ、いいからっ…」
ようやく離した唇からは熱い吐息が絶えず漏れて、至近距離で泣きそうな顔で見つめられ。
その顔に煽られるように中の指と左手の動きを早めると、小刻みに震えながら首筋に顔を埋めてくる。