煩悩ラプソディ
第5章 愛情注ぐ理由はいらない/ON
俺は…
俺はあなたとずっとこうしたいって、
思ってたんだよ…?
ずっと閉じ込めてた想いが雪崩のように溢れてきそうで、息継ぎをしながら何度も角度を変えて口づけた。
いつの間にか、大野さんの首に腕を回している自分がいて。
夢中だった。
幸せすぎて、なぜだか涙がこみ上げてくる。
唇を離すと、小さく息をついて間近の大野さんの目を見る。
涙目の俺に一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐにふにゃっとしたいつもの笑顔になった。
「ダメだ…すごい好き、お前のこと」
「…俺もだって。アンタのこと、好きでたまんない」
きっと、大野さんも俺も、この愛しさをどう伝えればいいのか分からないって顔してる。
「あのさ…、」
ふいに大野さんの顔が赤くなって、目を伏せて口ごもった。
さすがに酔いが回ってきたか…?
あんな一気したし。
「うん?」
「あの…あれだ、その…、」
「…なに?」
「だ…」
「え?」
「だ…抱きたい…、」
「え?なんて?」
「抱きたい…お前を、」
顔を真っ赤にして、耳をポリポリかきながらそう言う大野さん。
"抱きたい"というフレーズに、俺も一気に顔に熱が集中してしまった。
ちょっと…
そんなダイレクトに言われると、
すげえ恥ずかしいんですけど…!