煩悩ラプソディ
第31章 未だに勢力まだ拡大中/AON
少しのワクワクと、ほんのちょっとの不安。
もちろん良いことばっかり書かれてるワケじゃないのは分かってんだ。
多分色々言われてんだろーなぁ…
良くも悪くも。
こないだのコンサートのソロがどうとか、テレビでもっと喋れとかな。
そんなことをぐるぐる考えながら、見出しで気になるものがあればタップしていた矢先。
"嵐 にのあい"
というワードが上がってきた。
にのあいって、にのと相葉ちゃんのことだよな。
あぁそっか、俺らファンからニコイチで呼ばれてるもんな。
ファンから特殊な呼び方をされているのは前から何となく知ってはいた。
また何の気なしに"嵐 にのあい"をタップ。
そしたら、目に飛び込んできたそのワードに『?』が浮かぶ。
なんだ?
"にのあい小説"って…
探るように中に入っていけば、最終的に辿りついた場所に思わず手が留った。
…BL。
『びーえる』…?
びー…
近くにあるワードたちに目を遣って、ようやくその意味が理解でき。
お…おぉっ!
これが噂の…
一部のファンの人たちってやつか!
松潤とか翔くんが言ってたアレ、ほんとにあんだな!
なぜかテンションが上がってしまった俺は、その"BL"とやらに食いつくように検索をかけていった。
…いやいや、マジか!
あっちゃあ~…そりゃねぇだろ。
えっ、そんなことまでっ…!?
次々と目に飛び込んでくる生々しい描写に夢中になって、いつの間にか小一時間は経っていたらしい。
つけていたテレビから翔くんが『こんばんは』と挨拶をしてきたのに気付いて、今の時間を再確認した。
ふぅと息をついてぼんやり視線をテレビに映すも、勝手にニヤけてくる頬。
初めての"BL"に触れて分かったこと。
にのと相葉ちゃんのこと…
案外見抜かれてんな。
そりゃあいつらは付き合いも長いし、収録中の感じがまんまテレビで流れるワケだからな。
気付くファンはいるよな、そりゃ。
いや分かったのはそれだけじゃなくて。