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煩悩ラプソディ

第31章 未だに勢力まだ拡大中/AON






「んんっ…はぁ、待ってっ…」

「…っ、はっ…」


相葉ちゃんのキスが余程激しいのか、苦しそうなにのの声が小さく届いてくる。


バレないようにそろりと目を開けると、テーブル越しのその光景が飛び込んできた。


ソファの座面に凭れたにのに覆い被さった形の相葉ちゃんの背中。


その背中にぎゅっとしがみつくように丸っこい手が覗く。


ここからにのは見えないけど、耳まで赤くして相葉ちゃんのキスに応えてんだろうな。


やっぱ相葉ちゃんのスイッチは今日もオンだったか。



「待っ…おおのさ、がっ…いるっ…」


急に聞こえた俺の名前に慌ててぎゅっと目を瞑る。


「大ちゃん寝てんじゃん…大丈夫だって…」

「……んっ、ぁ…」

「にの…シよっか…?」


小声で囁いた相葉ちゃんの色っぽい声に、思わず俺もゾクッとした。



相葉ちゃんが雄になる瞬間。


俺はこの顔が堪らなく好きで。


男役しか経験ねぇけど、相葉ちゃんのこの顔を見たら…


相葉ちゃんならいいかなって思っちまうんだ。


きっと今もその雄の顔でにのを堕としたに違いない。


返事をしないのは『イエス』の意味。


顔を真っ赤にして潤んだ瞳を向けてるにののあの顔も、頭ん中に焼き付いて離れねぇんだから。



ちゅっ、ちゅというリップ音の合間に、ぴちゃぴちゃと水音も聞こえてくる。


あ、相葉ちゃんの好きな時間だな、これ。


にののすべすべの顔中にキスしながら、たまに貪るように薄い唇に喰らい付いて。


その時のにのの感じてる顔も…
堪んなく唆るんだよな。



「ぁん…もっと、して…」



…えっ!?



聞こえてきたにのの甘い声に、驚いて思わず目を開けてしまった。


いつの間にかソファに上がっていた二人。


相葉ちゃんの下に組み敷かれたにのが、首筋にキスをされながら頬を染めている。



にのからあんな甘いおねだりが聞けるなんて…


俺の時とはやっぱ違うのか…!


確かにネットで見たにのは超がつく程可愛い描写のものが多かった。


近いものはあると思ってたけど、こんな一面を序盤でさらりと出してくるとは。

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