煩悩ラプソディ
第31章 未だに勢力まだ拡大中/AON
そろそろスパートかもしれない。
そんな予感がして、俺もブランケットの中で手の動きに意識を集中させた。
「あぁっ、も…やっば…にのっ、」
結合部とにののから絶え間なく響く水音の合間に、相葉ちゃんの切羽詰まった声が聞こえて。
にのの腰をぐっと引き寄せて更に深く進めば、高い喘ぎを上げたにのが相葉ちゃんの腰に脚を巻き付けた。
「ぁっ、あっ、も…だめっ、」
「んっ、くっ…俺もっ、」
揺さぶりは止めずに腰を折ると、快感に眉を顰めたにのの唇に噛み付くようにキスをする。
キスの合間に漏れる吐息や喘ぎも、ひたすら最果てを目指して動かす二人の手も、壊れるんじゃないかってくらい打ちつける肌の音も。
その全てが、ものすごく官能的で堪らない。
やべぇ…
俺もイきそう…
もう、こんな二人見てたらほんと…
堪んねぇよっ…
「んっ、はぁっ…気持ち、いいっ…!にのっ、」
「ぁんっ、あっ、やっだっ…イっちゃうっ…!」
「俺もっ…くっ、あっ、イクっ…!」
「あぁっ!いいっ…イっくっ…!」
ぐっと押し付けた腰に纏わりつく真っ白な脚と。
瞬間、二人の腹の間で弾けたにのの白濁と。
快感に歪めた二人の表情を見届けて、俺もブランケットの中で静かに達した。
***
体に感じる冷気に身震いがしてうっすらと瞼を開けた。
ブランケットが肩まで掛けられているとはいえ、いつも床暖で寝る俺にとっては寒さを感じてしまったんだろう。
ふとローテーブルを見ると、あんなにあったビール缶や料理の皿は綺麗さっぱり片付けられていて。
さっきと変わらないリビングのはずなのに何だか違和感がある。
対面のソファやラグも、特に乱れた形跡はなし。
まるでさっきまでの光景が嘘のように…
えっ?
えっ?マジか…?
えっ、ちょっと待て…
そもそもあいつら来て…
一瞬でデジャヴのように蘇る以前の記憶。
ガバっとソファから飛び起きると、リビングのドアをすり抜けて廊下へ出る。
玄関まで駆け抜けてポーチを見れば、二人分の靴はあった。
となると、風呂かっ…?
そう思って浴室へと足を向けようとした時、ふと途中にあるこの部屋にピンときた。