煩悩ラプソディ
第32章 あいつがライバル/AN
神社にお参りを終えてすぐ、スマホの通知音がジーンズのポケットから響いた。
バイブにしてるにのも同じく反応し、二人してスマホを取り出す。
見ると、俺たちのグループLINEで。
JUN《ニノと相葉くん今日は優太の日だっけ?どう?楽しんでる?》
松潤からのメッセージ。
そういえば一昨日雑誌の仕事の時話したっけ。
「なに、潤くんに言ったの?」
「一昨日ね、一緒だったから。え、だめだった?」
「いや別に…」
なんとなく歯切れの悪いような気がするけど気のせいかな。
あ、そうだ。
「優太おいで」
手を広げ優太を抱っこして、スマホを目の前に掲げてにのに近寄る。
「写真送ろ、みんなに」
そう告げれば、掲げたスマホを見ながら俺に顔を寄せてくるにの。
傾けた頭が触れ合って、ちょっとドキドキ。
「いくよー、優太笑ってー」
いっぱいに伸ばした腕の先に向かって三人で笑顔を送る。
うわ、ちょーいい写真これ。
にのちょー笑ってる。
やべ、可愛い…
にのとのLINEの背景にしちゃお。
すかさずグループLINEに送信するとすぐに既読がつき。
JUN《おー優太!久しぶりー!いいねぇ、いい笑顔。
めっちゃ楽しそうじゃん。良かったな、ニノ》
松潤のメッセージにふと違和感が。
なんでにのが"良かった"なの?
にの《まぁね。やっと優太に会えたし、楽しくやってるよ》
そんなことを思っていると現れた吹き出し。
傍らですぐにメッセージを送信したらしい。
…そっか、なんだ。
そうだよね。
にのずっと優太に会いたいって言ってたのみんな知ってるもんね。
感じた違和感は単なる勘違いで、何事も無かったようにメッセージのやり取りは進んでいき。
大野智《おわ優太!元気かぁ?相変わらず似てんなぁ相葉ちゃんに》
翔《優太が元気なのは良いとして。
二宮くん、相葉くん。
つい先ほど君たちの目撃情報がツイートされた模様。
非常に残念ですが速やかにお帰り下さい》
最後に現れた翔ちゃんのメッセージに二人で同時に声を上げた。
「やっべ、バレてたんだ…」
「しょうがないよ、もう帰ろ。優太、帰ろっか」
不服そうな優太を抱き上げたにのが帽子を深く被り直して俺にも促した。