煩悩ラプソディ
第33章 お熱いのがお好き/AN
その時。
背後でもぞっと動いた気配がして一瞬で現実に引き戻される。
と同時に、息を潜めるようにフリーズ状態。
「ん…」
寝息と吐息が混じった声のすぐ後に、トスッと何かが落ちたような音が聞こえたと思ったら。
…っ!!
突然ぎゅうっと後ろから抱き締められ、更に左脚が乗っかって絡まってきて俺の体ごと包み込まれた。
「ん~…」
ぐりぐりっと後頭部に擦り寄ってくる感触と、寝惚けてるであろうその声色。
ぎゅっと自身を握り込んだままの俺を、これまたぎゅっと抱き締めてくる相葉さん。
感じる体温や寝息や…
腰付近に当たってる相葉さんのとか全部。
もうやばいくらい興奮を煽ってくるから。
さっきも今も、幸い相葉さんの顔は見えていない。
だからって訳じゃないけど、こうなったらもうこの状況でどうにかするしか術はない。
起きてくれないんなら…
こうするしかないよね?
お腹にきつく纏わる相葉さんの腕をそっと外し、左手を掴んでそろりと下着の中へ誘導して。
意思のないその手に俺の左手を重ね、震えそうな自身に置くように触れさせた。
「ぁっ…」
思わず漏れてしまった声を慌てて飲み込む。
相葉さんの手が触れたそこは、信じられないくらいすぐに形を成して。
とろっと溢れた先走りが相葉さんの指に滲み。
重ねた手をぎゅっと握れば、それに合わせて自身に刺激が走る。
ゆっくりと上下に動かすと、快感の波が押し寄せて顔が歪むのを自覚した。
これ…やっばい…
も、相葉さ…
気持ちいいっ…
完全に密着したことで伝わる体温が、俺主導でシてるのに相葉さんにされてるみたいに錯覚する。
こんなこと普段なら絶対やらない。
勝手にこんなことして、もしかしたら相葉さんに引かれるかもしれないけど。
でももうダメ。
もう…
今日は相葉さんが欲しくて堪んない…
「っ…はぁっ…」
いつの間にか抑えることも忘れていた声は、熱い吐息を際限なく吐き続けていて。
重ねた手の隙間から相葉さんの指を掬って、欲しい場所へと長い指を誘導し。
すっかり濡れきった自身からは、くちゅくちゅという音が漏れてくる。