無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

きっと違和感しかないだろうそこに埋めている指。


時折小さく体を跳ねさせるけど、入口を行き来する内に少しは慣れてきたようで。


指を抜き差しする度そこから密が滲み出てくるような。


たっぷり纏わせたローションのお陰なんだろうけど、それがやけに卑猥で興奮してくる。


未だに膝をくっつけたままの体勢。


にのは隠してるつもりなのかもしれないけど、ここからは全部見えちゃってるもんだから。


英気を失ったようにくたびれたにのの自身も目に入る訳で。


やっぱりこんなの気持ち良いはずがないよね。


そう思ったら何だか居た堪れなくなってきて。


解すことに集中していて脚元しか見ていなかった顔を上げれば、飛び込んできた光景に目を見開いた。


力無くおでこに置いた手とぴったり覆われた口。


辛そうに眉を顰めて目を瞑り、鼻で細く息を吐き続けるその姿に。


思わずずるっと指を抜いて覆い被さった。


「ふぁっ…！」

「にのっ！」


ぶるっと体を震わせて声を上げたにのに慌てて声を掛ける。


「ちょ、大丈夫っ！？」

「おまっ、急に、抜くなっ…」

「いやだって辛そうだから…」

「大丈夫だって…ちゃんと息出来てるから」


笑いながらそう言うけど普段生活してて滅多に掻かない汗なんか掻いてるし。


顔も火照って真っ赤だし、さっきより瞳の水分量も多くなってるし…


いくら俺が抱くって決めてにのもそれを承諾してくれたからって。


無理だけはさせたくない。


にのに辛い思いをさせてまでこんなことする理由なんて俺にはないから。


だからもうやめ…



「早く…」


『もう止めよう』って言葉にしようとした時、にのの方がぽつりと口を開いた。


「……え、」

「何でもいいからさ…もう早くしてよ…」


言い終えてぱたりとシーツに腕を横たわらせ、ゆらゆら揺れる瞳で見上げてくる。


「いつまでこんな格好させんのよ…」

「ぁ…」

「まさか止めるとか言う気？ここまでしといて」

「っ、いや…」


怪訝そうに眉間に皺が寄ったのに焦ってすぐに首を振った。


「…だろうね。そんな状態じゃ止めらんないよ」


ふっと表情が緩まったその視線の先を辿れば。


反応して首を持ち上げかけている俺自身。


っ…！
俺ってば！