煩悩ラプソディ
第41章 積み重なる真夏のsuccess/SM
四人掛けのテーブル。
対面に座った彼からしばらく目が離せなくて。
…マジで神様に感謝。
この出会い、必ずモノにしてみせます…!
「…翔ちゃん?大丈夫?」
横から含み笑いながら声をかけてきたニノの声で我に返る。
「良かった。仲良くできそうだね」
斜め向かいでふふっと笑いつつ隣の松本くんと俺を交互に見遣る相葉くん。
いや相葉くん…
仲良くどころかマジでドストライクなんですけど!
相葉くんにもマジで感謝だわ。
ほんとニノと幸せになれよな!
自己紹介もそこそこに、ビールジョッキをガチャリと突き合わせて相葉くんが設定してくれた飲み会はスタートした。
ガヤガヤとした居酒屋の雑音もこの個室ならそう気にならない。
見れば見るほどタイプ。
料理を食べる時に伏せる睫毛が異様に長いし、もぐもぐと動かす口元も可愛らしい。
それに彼はよく笑う。
その無邪気な笑顔がまたなんとも眩しくて胸を鷲掴みにされてしまうんだ。
「…どうしました?俺の顔なんかついてます?」
料理を頬張りながら上目遣いで聞いてきた対面の瞳。
その眼差しにどきっと心臓が高鳴る。
「あっ、いや…ごめん、つい…」
「ふふ、松潤イケメンでしょ?見惚れるのも仕方ないよね」
「ちょっとやめてくださいよ先輩っ」
相葉くんの肩を押して照れながらそう言い返す松本くんは。
俺たちより歳は一つ下の大学3年で。
相葉くんの高校の時の後輩らしく、大学は別のとこに通っているそう。
「えっと、下の名前って…」
「あ、潤です。潤うって字の」
「そっか…潤くんね」
"松本潤"とかなんか芸能人みたいな名前だな。
名前の通りほんとにキラキラで潤ってるよ。
「櫻井さんは…」
「あっ、俺は翔!羊に羽の翔ね」
「へぇ~、なんか芸能人みたいですね」
「へっ?」
「"櫻井翔"ってなんかすごいカッコいい」
っ…!
そう言ってニッと笑ったその笑顔が可愛くて。
今ので完全に仕留められた感。
しかも俺のこと"カッコいい"って…
未だニコニコして俺を見つめる松本くんに絆されて。
隣でニノと相葉くんがにやにやして何やら話しているのにも全く気付かなかった。