テキストサイズ

煩悩ラプソディ

第41章 積み重なる真夏のsuccess/SM






その後も飲み会は盛り上がり続け。


松本くんとは俺もニノも初対面だったにも関わらず、その人当たりの良さと気配りでそんなこと微塵も感じさせなくて。


二次会どうする?って話になったけど、何やらニノが飲み過ぎたみたいで最後の方はずっと相葉くんに甘えだしてたから。


「櫻井くんごめんね!にのこんなだから連れて帰るよ」

「翔ちゃぁん、ばいばぁ~い」


あんなにゆるゆるなのは初めて見たってくらい相葉くんに凭れてこちらに手を振るニノ。


「松潤もごめん!あとは櫻井くんとよろしくやって!」

「もぉ先輩ってば!…帰りちゃんと気をつけてくださいねー!」


最後までちゃんとツッコミ役に徹しつつ、先輩には気遣いを忘れない所もまたいい。


居酒屋の前、段々と小さくなる二人の後ろ姿を見送っていると。


「あの…」


隣から遠慮がちに発せられた声。


「櫻井さん…今日はまだ時間あるんですか?」

「えっ、あ…うん!全然余裕!」

「じゃあもう一軒行きません?」

「…っ、うんもちろん!行こう行こう!」


もう十分に酔いの回っている火照った顔でそんなこと言われて断るヤツなんかいねぇだろ。


むしろこっちから強引にでも誘おうと思ってたのに。


「じゃあ…櫻井さんの家とか…」

「えっ!?」

「あ…やっぱダメですよね…?」

「えっ?いや…えっ?」


突然の松本くんのセリフに分かりやすいくらい動揺してしまった俺。


だって…


え?いやだってさ。


いきなり"家に行きたい"なんて。


それってつまり…


…そういう、こと?


「あっ…いや俺は全然いいよ!え?つーかいいの?俺んちで…」

「はい…櫻井さんちに行ってみたいなって思って…」


言いながら顔を赤らめてはにかむその顔に、体の奥からズクズクと熱いものが込み上げてくる。


瞬時にこの先の展開を想像して期待する正直な下半身。


待てよおい…


これは、この展開は…


もうさ、もらったようなもんじゃね?


ついに悲願のパートナー、しかもドストライクの相手に巡り合えた奇跡!


感激で体がちょっと震える。


様子がおかしいのを悟られないよう気を付けながら。


松本くんと一緒に自宅へと歩き出した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ