無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

姿勢を崩して向き合った形の潤の体。


離れた唇を目で追えば濡れて色っぽく光り。


一度重ねてしまったらその全てが欲しくて堪らなくなる。


欲の色を纏う瞳も、濡れた唇も。


真っ白な肌も、程良くしなやかな体も。


潤には俺の理想の全てが詰まっている。


そう確信すると頭も体も全て潤にもってかれて。


セーブだブレーキだなんて思考は一瞬でどこかに飛んでいってしまった。


男ってのは本能に抗えない生き物なんだよ。


そう、本能の赴くままに目の前のごちそうにありつくのが性ってもん…


心で言い聞かせながら潤に覆い被さろうとした時、あろうことかその動きは逆に封じられてしまって。


気付けば首元に巻きつけてきた腕でしがみつかれ、その上太腿に跨って乗っかってきた。


っ！？


視界には俺を見下ろす至近距離の潤んだ瞳。


ぎゅっと密着してくる下腹部には確かに芯を持った感触もあり。


突然のことに情けなくも声が出ず、ただただ熱いその瞳を見つめるだけ。


なっ…なっ…


まっ、まつもとくん…！？


「…も、がまんできない」

「…っ、へっ？」


首に巻き付けた腕からジンと熱が伝わってくる。


その熱とぽつり溢したセリフがやけにリンクして。


「翔さん…俺、翔さんみたいな人ずっと探してたんです」

「はっ？えっ？」

「顔も声も…全部が俺のタイプで…だからっ…」


ふいに巻き付けていた腕を離し、自分の太腿の上でぎゅっと拳を作り。


そしてきゅっと一度唇を結んで睫毛を伏せてから、再び合わせてきた瞳。


「今日だけでもいいから…俺のこと…
だ、抱いてくださいっ…！」


言い終えてペコっと下げた頭は、俺の上に乗っかっていてもその顔が見えない程伏せられていて。


…いやちょっと待って。


今なんつった？


俺が…


俺のことがタイプっつった？


ふるふると小さく震えているヤツにしっかりと乗っかられてるおかしな状況だけど。


いやそんなこと今はどうでもいい。


マジで…


いやウソだろ。


俺が？
え？俺？


…マジかよおいっ！