煩悩ラプソディ
第45章 流星エピローグ/AN
かずくんってこんな風に感じるんだ、ってどこか他人事みたいに考えながら。
覆い被さった体がもじもじと捩られているのに気付いて。
お互い上下スウェットといういつものスタイル。
布越しに火照った熱とはっきりとした芯を感じる。
押し潰さないように浮かせた腰に時折触れるかずくんのがぴくぴくと動いたりして。
「ぁ…、はぁっ、んっ…」
同時に、キスの合間に肩に置かれた手にぎゅっと力が入ったのが分かった。
絶えず膝を擦り合わせるように動く脚。
その仕草に煽られるままにそっと伸ばした右手。
「あっ…」
びくん、と明らかに体が跳ねて漏れ出た声に唇を離す。
至近距離で見下ろせばぎゅっと目を瞑って口を覆っていて。
「…触ってもいい?」
小さく囁くとこくこくと頷くかずくん。
その可愛らしい返答を受けてスウェットのゴムからするっと手を差し入れたら。
「あぁっ…、やっ…」
覆っているのにその意味がないくらい漏れた甘い声に思わずかずくんを見た。
相変わらずぎゅっと閉じた目は快感を逃がすようにその眉間に皺を寄せている。
男のモノを触るなんて自分以外では初めてで。
ましてや好きな人のこんな表情を目の当たりにしながらだなんて。
そしてそんな顔をさせているのが俺だなんて。
込み上げる高揚感を抑えきれずに手の平に感じるかずくんをそっと包み込むと。
「んんっ…!」
ぴくんと体が跳ねたと同時にじわりと一点に濡れた感触を覚えた。
ほんの少し触っただけでこんな反応をされたらもう堪らない。
「…きもちいいの?」
「はぁっ、待っ…て、ってば…」
「ねぇ…直接触っていい…?」
顔を背けてしまって露わになった耳にそう囁きかければ。
「やっ…はずか、し…」
言いながらゆっくり開いた蕩けた瞳が俺を見上げた。
目は口ほどに…ってさっきも言ったけど。
このかずくんの瞳は絶対拒否なんかじゃないはず。
「恥ずかしくないから…ね?」
「やっ、あっ…!」
返事を待たずに下着のゴムに指をかけて下にずらし。
すぐに現れたすっかり上向いたソレを撫でるように包み込んだ。