煩悩ラプソディ
第45章 流星エピローグ/AN
キュ、とシャワーを止めれば訪れた静寂。
シャワーヘッドからポタポタと伝う水滴を目で追って。
え、っと…
「かずくん」
「っ!」
ふいに呼ばれて雅紀に振り向けばニッコリ笑って両手を広げられ。
「ほら、こっち来て」
ちゃぷん、と跳ねた白いお湯はすっかり定量になっていた。
よくそんなストレートなこと出来るよな、って内心思いながらも。
浴槽の淵をおずおずと跨いで足を差し込めば、雅紀との距離が一気に縮まり。
とりあえず向かい合うように腰を下ろそうとしたらいきなりクイッと腕を引っ張られて。
「こっちおいで」
引かれるままにざぶんと雅紀の腕の中へ。
「っ…」
「くふふ、これだったら恥ずかしくないでしょ?」
耳元で囁く雅紀に後ろからぎゅうっと抱き寄せられた。
急に密着した肌の感触に思わず肩がきゅっと縮こまってしまう。
心臓はバクバク。
視界には立ち込める湯気と真っ白な水面から覗く二人分の膝小僧。
背中にぴったりと寄り添う熱、そして腰に触れる芯を持った感触に。
っ…
雅紀の昂りを思い知らされて俺のにも灯が点り始める。
「…恥ずかしい?」
「…うん?ん…まぁ、」
「ねぇかずくんの体って超柔らかいね」
「えっ」
急にそんなことを言われ雅紀の方に顔を向ければ。
「すっごい触り心地いい。すべすべだし」
「ンっ…」
微笑みながら俺の腕や足をお湯で撫で始めて。
「こんなだったんだ、かずくんって」
「ちょっ…、あっ…」
ちゃぷ、と雅紀の手が水面下に見えなくなり、次に感触が訪れたのは。
「っ…どこ触って、」
「ん?男だって気持ちいいんだってよ?ここ」
「あっ…!」
さわさわと胸辺りを動いていた手が乳首を捕らえた瞬間、そこそこの声を出してしまって慌てて口を覆った。
「くふふ…可愛いかずくん。ほらこうやってさ…」
「ンっ、ちょっ…」
白い水面下で動く指は乳首の先端を摘まんだり擦ったりして。
体だけじゃなくて頬から耳にかけてもぴったりと雅紀と密着している状態。