煩悩ラプソディ
第45章 流星エピローグ/AN
軽快なスマホのアラーム音で意識が浮上する。
ゆっくり目を開けるとすぐに飛び込んできた景色につい頬が緩んだ。
うつ伏せてこちらに顔を向けて眠るかずくんの寝顔。
小さく開けた口からはくぅくぅと寝息が聞こえてきて。
向かい合ったまま永遠に見ていられる寝顔を眺めつつ、脳内では昨日のコトがフラッシュバックされた。
出来るだけかずくんに負担がないようにって準備したけど、結局最後の方は俺も我慢できなくなっちゃって。
ワケ分かんなくなりそうだったけど何とか無事に最後までいけたから良かった。
あの後かずくんはやっぱり寝落ちちゃって勝手に体とか拭いちゃったけどさ。
ほんとはぎゅって温め合って寝たかったけど完全にぼっちだったのは仕方ないとして。
まぁ…二人ともハジメテだったにしては上出来じゃん?
しかもあんなに気持ち良いとは正直思ってなかったし。
かずくんはどうだったのかな…
俺はもうめちゃくちゃ大満足だったんだけど。
目の前にある全く起きる気配のない寝顔をジッと見つめる。
可愛かったなぁ…
なんか体も柔っこいし敏感だし。
それにさ、昨日はいつものツンツンしてるかずくんじゃなくてすっごい素直でさ。
あー…やべ。
思い出したら勃ってきた…
未だすやすや眠るかずくんとの距離を更に縮め。
小さく開いた唇にそっとキスをひとつ。
触れた瞬間、まだ昨日の感覚を覚えている体が一気にざわついた。
ちゅ、ともう一度キスをしたらぴくっと顔が反応して。
「ン…」
小さく零れた声と同時に落とされていた睫毛がふるっと震え、ぼんやりと薄茶の瞳が覗いた。
「…おーはよ」
「……ん」
至近距離で見つめ合ったその瞳はまだ虚ろに瞬きを繰り返していて。
そんな様子が可愛くて自然と頬が緩んでしまう。
…あーヤバい。
マジで勃っちゃった。
ぱちぱちと瞬きを繰り返すかずくんに擦り寄ってぎゅっとその体を抱き締めた。
「ねぇかずくん…俺またこんななっちゃった」
「え…わっ、お前っ…」
「ね、ちょっとだけいちゃいちゃしよ?」
「はっ?ちょっ、やだっ…」
ぐりぐりと股間を押し付けながらその細い腰をぐいっと動かした時。
「いっっ…!」
朝イチとは思えない声量が俺の部屋にこだました。