煩悩ラプソディ
第10章 星に願いを/AN
「…っ、にのぉ…」
涙が溢れて止まらなかった。
一緒に居るのが当たり前すぎて、離れるなんて少しも考えたことなかった。
何年の月日が流れても、ずっと一緒に居るんだってそう信じてた。
ねぇ、にの…
今度って…いつだよ?
ねぇ…
答えてよ、お願いだから…
お願い…
帰ってきてよ…
震える両手で、小さなイヌとカードを胸元に握り締め。
脳裏に浮かぶのは、いつも隣で笑っていたにのの顔。
"相葉さん"
そうやって俺を呼ぶ、穏やかな声。
にのは…
俺のすべてだったんだ。
いまさら…
いまさら気付くなんて…。