例えばこんな日常
第18章 超短篇詰め合わせギフト
《大宮(リアル)》
◆Mステバク転披露の巻◆
本番前。
楽屋からスタジオへ向かう廊下で、後ろから大野さんがボソッと呟く。
「…あ〜、緊張する…」
今日の新曲のメドレー中、俺たちはバク転を披露することになっている。
しかも、生放送で。
「あのね、緊張移るからさ、そうゆうのやめてもらえます?」
「あぁ、ごめん」
振り返って眉を顰めると、大野さんがヘラッと笑いながら返してきた。
「…じゃ移したろっ」
そう言うと、歩きながら後ろからギュッと抱きついてきて。
「もー、やーめーろーやー」
抱きつかれてフラつきつつ、棒読みで抵抗する。
少し前を歩いていた翔ちゃんが俺の声に振り返ると、纏わりつく大野さんに眉を下げて笑っていて。
「ちょっと助けてよ、ここで体力使っちゃう」
「ふはっ、申し訳ないけど俺は代わってやれねぇから」
そう苦笑する翔ちゃんに『そりゃそうね』って笑ったけど。
久々ちょっと緊張してきたわ。
ちゃんと出来るかな…
前を歩く3人が角を曲がったところで、急に大野さんがギュッと抱きついたまま立ち止まった。
「ねぇ…ちゃんとできたら…ごほうびある?」
耳元で囁くようにそう問いかけられて。
その声と吐息に、一気に耳が熱くなる。
「…なにがいいのよ、」
「…ん、にのがいい」
びっくりする程の甘い声に顔を向ければ、大野さんも顔を傾けてチュッとキスしてきた。
「がんばるね、俺」
ヘラッとだらしなく笑うと、パッと離れて先に行ってしまった。
…くっそ、変態おじさんめ。
本番で俺たちは見事にバク転を決め、目が合って思わず笑った。
俺も…ごほうびもらっていい?
ね、大野さん。
***
今となっては懐かしの、Mステバク転披露の時のお話ですー。
『心の空』終わりの相葉くんのセクシー流し目が堪らなかったなぁ…←今は大宮の時間
バク転フェードイン後の二人はほんとに笑い合ってて、なんとも微笑ましくてつい書いちゃったやつかな^o^笑
にのもごほうび貰えたかなー?
あ、お互いがごほうびだから貰ってるか。
そっか、そうだね。←解決