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例えばこんな日常

第18章 超短篇詰め合わせギフト


《にのあい(リアル)》
◆サウナより熱い俺の気持ち◆




隣に座る相葉さんが、ふぅーっと長い息を吐いた。


膝の上で握られた拳に、汗がポタリと滴る。


目をぎゅっと瞑ると、蒸気なのか汗なのか分からない水分が目に染みて。


息を一つ吸えば熱気が鼻を突き抜け、頭がぐわんぐわんしてくる。


静まり返った空間の中ふと室温計を見れば、その目盛りにも目が眩みそうになった。


「お前出ろよ、」

「…お前が出ろって」


この攻防をかれこれ10分は続けている。


「はぁ…も、ダメ。先出るわ、」


そう言って立ち上がろうとしたら、急に目がチカチカして目の前がぼやけてきて。


足に力が入らず、そのままずるっと床に崩れ落ちる。


「えっにの!?ちょっ、」



…あーあ。
サウナでのぼせるなんて…ベタだな俺。



揺れる意識の中ぼんやりそんなことを思っていると、急にフッと体が浮いた。


「首に腕、回せる?」


やけに近くに聞こえるその声に、やっとの思いで意識を繋げると。


ぼやける視界に映る相葉さんの顔が、段々とはっきり見えてきて。


心配そうに眉間に皺を寄せて俺の目を真っ直ぐ見つめてくる。


こめかみから顎を伝って喉仏に流れる汗を目で追いつつ、思わず見惚れてしまっていたのに気付き。


なんとか首に両腕を絡ませれば、相葉さんがグッと俺を抱え直した。


「ごめんね、我慢大会とか言って…」


何も言えずぐったり肩に顔を預けていると、すぐに唇に柔らかい感触が降ってきて。


「…これで許して?」


離れた至近距離の瞳が、反省のそれではなくやけに熱っぽい色を帯びてたから。



…奪っといて何言ってんだよ、ばーか。



絡ませた腕をグイッと引き寄せて、汗だくの相葉さんに口づけた。


「…これで許してやる」



***



…サウナで何やってんだこの人たち(笑)

にのはサウナとか苦手そうですよね。
相葉くんは好きそうだけど。

サウナから抱っこされて出てきたにのを想像するとちょっとウケるー( *´艸`)←
大人なのに恥ずかしー!笑

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