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例えばこんな日常

第18章 超短篇詰め合わせギフト


《櫻葉(ノンリアル)》
◆『櫻葉パパとチビ末ズ』デートお誘い篇◆




…よし、今日こそは。



「あ、かずくんのパパ!」


病室に入るなり、我が子より先に俺を見つける可愛い笑顔。


「こんにちは、潤君」

「こんにちわ!
ねぇかずくん、コイツどやってたおすの?」


ベッドの端に並んで座り、二人してDSとにらめっこ中。


「何またゲームしてんの?」

「いーじゃん。
…あ!じゅんくんのおとーさん!」


口を尖らせたかずが顔を上げると、すかさず声をあげて。


その声に振り返れば、爽やかなあの笑顔が。


「相葉さん、もう来てたんですね」

「はい、今来たとこです。
櫻井さんそれって…」

「…あ、この間言ってたシュークリーム。
え、相葉さんも?」

「はい…カブっちゃいましたね」


掲げたお互いの紙袋を見て、ぷっと吹き出す。



かずと櫻井潤くんとは、一ヶ月前から同室で。


子供たちはすぐに意気投合し、どんどん仲良くなっていった。


…次は、パパたちの番。



かずが何やら潤くんに耳打ちしている。


なんだ?と思っていると、二人でくすくす笑ってぴょんとベッドから下りた。


「おとー、じゅんくんとおーのせんせえのとこいってくる!」


そう告げて、嵐のようにバタバタと病室から出て行って。


あっという間の出来事にただ唖然としていると。


「あの…良かったらこれ…
今度一緒にどうですか?」


遠慮がちに目の前に差し出された、2枚の映画のチケット。



えっ、うそ…



慌てて俺もポケットから同じチケットを出して、満面の笑みで頷いた。


一瞬驚いた櫻井さんの顔は、すぐにいつもの爽やかな笑顔になり。


「…ふふっ、またカブっちゃいましたね」

「あ、ほんとだ…」


一つ笑みを溢せば、櫻井さんの肩越しに、入り口からこっそりこちらを覗き込む二つの可愛い顔が見え隠れしていた。



***



こちらは《煩悩ラプソディ》で何度かお届けした『櫻葉パパシリーズ』の原点です。

ここからウブなパパ達の恋が始まったらしい( *´艸`)←

チビたち(特にかず)はパパたちの事は何となく察してるようで。
子どもながらに(笑)

ナイスアシストかずー^o^♪

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