例えばこんな日常
第18章 超短篇詰め合わせギフト
《櫻葉(ノンリアル)》
◆『櫻葉パパとチビ末ズ』クリスマスかず篇◆
ナースステーションに飾られた小さなツリーを横目に、"相葉和也"のプレートを目指し歩く。
病室に入ると、ベッドの上で熱心に何か書いている息子が。
「かずー、何書いてんの?」
「あ、おとーはみちゃだめ!」
頭の上から覗こうとすれば、両腕でガバッと紙を隠されて。
その必死な姿がなんかおかしくて、笑いながら紙袋を目の前に掲げる。
「ほらかず、シュークリーム。
潤君の分も」
「え、やったあ!たべるっ」
満面の笑みでそれを受け取ると、袋からカサっと取り出してこぼさないように小さくパクついた。
そんな仕草を眺めつつ、目に入った机上の小さな紙。
これは…あれだよな。
「ねぇかず、父ちゃんさ、サンタの家知ってんだ。
それ渡しといてやろうか?」
「えっうそ!ほんとに?」
目を輝かせたかずが『はい!』と笑顔で手紙を寄越して。
「ぜったいサンタさんにわたしてよ」
「うん、絶対渡すって」
「ふふっ、これじゅんくんにあげてくる!」
嬉しそうに笑うと、シュークリームを手にタタっと病室を出て行った。
かずの欲しいものは何だろう?
新しく出たゲームソフトかな…?
どれどれ、と手紙をそっと開くと。
"げんきなからだをください"
拙い字で書かれた、かずの願い事。
その文字に途端に胸が熱くなって、涙が込み上げてくる。
「おとーどうしたの…?」
不思議そうな顔で戻ってきたかずを思わず力一杯抱き締めた。
「いたいよ、おとー…」
かず、大丈夫。
その願い…
父ちゃんが、絶対叶えてやるから。
***
かずくんのサンタさんへのお願いごと篇でした☆
このシュークリームはチビ末ズが大好きなやつで、こないだ高校生篇でも食べてましたな^o^
かずくん、大丈夫だよ!
すっかり元気になって潤くんと高校ライフをエンジョイしてるよー^o^♡
ついでにパパたちもエンジョイしてるよ!←