例えばこんな日常
第18章 超短篇詰め合わせギフト
《嵐(にのside)》
◆KIRIN『しあわせ一番町』篇より◆
「にのー、これどこ?」
「あ、とりあえずその棚に入れといて」
積まれた段ボールの中心から、相葉さんに返事をする。
今日、この町に引っ越してきた。
引越しの日を伝えると、別に頼んでもいないのにわざわざ手伝いに来てくれて。
みんなが買ってきてくれたビールを手に縁側で小休止してから、片付けに取り掛かり始めて今に至る。
翔ちゃんと潤くんはキッチン担当。
さっきから"なんに使うのこれ"の問いに、潤くんがいちいち説明してんのが聞こえる。
リビングは大野さんと相葉さん。
ソファの位置はここだとか、壁に俺の画を飾るとか勝手なこと言ってて。
縁側で一人段ボールを開けていると、一番上にあった写真立てが目に入った。
ハワイの家で撮った、俺たちの写真。
この時は、ほんとに色んなこと話したな。
笑って、泣いて。
なんか…
一緒に住んでるみたいに楽しかったっけ。
「ねぇ相葉さん、これテレビんとこ置いといて」
言いながら写真を手渡すと、一瞬驚いた顔をしてすぐ笑顔になり。
「俺もここ住みてぇな…」
いつの間にか縁側にきてた大野さんが、鴨居に手を掛けながらきらきらとオレンジに光る海を見てぽつり呟く。
「あ、リーダーもそう思った?
ちょーいいよね、こっからの眺め」
『ねーみんな!』という相葉さんの一声で、キッチンからやってきた二人も。
「うっわ、マジなにこれ!」
「いいねぇ~。ほんと俺も住みたい」
そうやって笑うみんなに倣い、立ち上がって同じ景色を目に映しだした。
"しあわせ"を求めてこの町にやってきたけど。
無理に探さなくても、見つかんなくてもいいや。
だって…
俺の"しあわせ"は、もうここにあるから。
***
いつもお世話になっております、KIRINさんより『しあわせ一番町』にの引越し篇でした^o^
毎度のCMクオリティには脱帽ですよね。
ファン心理を擽る見事なCMに、新作が出る度に心躍らせてます♡
そんなKIRINさんに敬意を込めて、というかモチーフにしちゃったけど大丈夫かな(・・;)←
あのCMの世界観を想像して頂けると幸いです☆