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例えばこんな日常

第22章 罪深きボルテージ/AN






「んっ、あぁっ!」


今度は躊躇うことなく進んできた感触に、押し出す暇もないままそれが熱く纏わりつく。


中ほどまで進んだような気がして、反射的に瞑っていた目を開けて虚ろに焦点を合わせれば。


ゆるゆると小さく前後に体を動かす相葉さんの姿。


その顔は眉間に皺を寄せ、耐えるように息を細く吐いていて。


そんな相葉さんの表情に、今日何度目かの胸の高鳴りを覚える。



相葉さんが俺の中にいるってだけでもどうかなっちゃいそうなのに。


こんな色っぽい顔を間近で見れるなんて…


それに、こんな顔をさせてんのが紛れも無く俺なんだって思うともう…


いつしか相葉さんを飲みこんでいる圧迫感や異物感にも慣れてきて。


それより、こうして相葉さんと一つになれてるって実感が伝わってくるのがどうしようもなく嬉しい。


相葉さん…


もう俺…


相葉さんのこと、大好きっ…



「っ、あんま締めないでよ二宮さん…」

「ぇっ…?」

「さっきからさぁ…きゅんきゅんに締め付けてくるからたまんないの」


動かずに俺を見下ろすその目尻にいつもの皺を湛え、少し余裕のない声でそう発する唇。


「俺の方がもたないかもしんないじゃん…」

「あっ…」


くいっと僅かに中を突かれたら、それを合図に両膝の裏を抱えられた。


「これからが気持ち良いんだから…もうワケ分かんなくなるよ?」


またニッと右の口角が上がったのが視界の端に映った後、ガツンという衝撃が腰を襲って。


股を開かれたことでより深く入ってきた相葉さんが、奥へ奥へと腰を打ちつけてくる。


「あんっ!やっ!あっ、あいばさっ…」

「あぁ…やっべ、はぁっ…」


さっきのとは比べ物にならない衝撃。


今度は圧迫感というより体の芯にぶつかってくるような感覚。


がつがつと打ちつけられる度に、少しずつ核心に近付いて来られるみたいで。


経験したことのない心地に、もう何も考えられなくなった。

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