例えばこんな日常
第24章 動機不純100%/AN
そんなことを思っている間も密着したにのの体はしっとりと肌に吸い付く。
こんな向かい合った体勢でお互いの顔がしっかり見えるなんて恥ずかしすぎる。
でも今の俺には気持ち良さの方が断然勝っていて。
「んー…あぁ…いい…」
ゆさゆさと自分で腰を動かすにの。
俺の首筋におでこを預けてだらんと背中に纏わりつく細い腕。
さっきから思ってたけど、にのってやっぱりぷにぷにしてる。
さすがに女の人ほど柔らかさは無いにしても、何とも言えないこのぷにぷに感が。
それに肌のしっとり感、もっちり感。
もうこれがにのの体なんだ。
こんなにいい体なんだ、にのって。
夢の中だけどもうこれがにのでいいよね。
本物には悪いけど俺の中で確定した。
"にのはイイ"
そう確信したらなぜか急ににのの中にある俺がざわめき出した。
自分でも分かるくらい勢いを増していく。
「んっ、あっ…ちょっ、あいばさ…」
いきなり大きくなった俺自身を感じたのか、にのが絞り出すように悲鳴を上げて。
そんな仕草にもぐっと欲情していく。
「…にの、こっち向いて、」
腰を抱えていた腕を解きにのの俯いた顎に指を掛ける。
くいっと上げた顔は今まで一度も見たことないくらい色っぽくて。
演技でもこんな顔見たことないってくらい。
いや当たり前だけど、なんかもう…
無言で向けられる虚ろな蕩けた瞳に近付いて。
その薄く開いた唇を掬い取るように俺のを重ねた。
あ…
ヤバい。
もう終わった俺。
その瞬間、気持ち残していた理性をぶん投げた。
にのの唇ってこんなに柔らかかったっけ…!
もうダメだ俺…たまんねぇっ!
「んっ、ぁ…」
より深く何度も唇を重ねると、吐息と共に漏れる色っぽいにのの声が耳に響いて。
その間もにのはゆるゆると腰を動かして頻りに快感を求めている。
「んぁ…あいばさん…」
ちゅっと音を立てて唇を離せば、緩く揺れながら小さな声で名前を呼ばれた。
赤く染まった目元で切なげに見下ろしてくるその顔に、どうしようもなくそそられている俺がいる。