例えばこんな日常
第24章 動機不純100%/AN
唇をむにむにと動かして何か言いたげなその様子。
そんな仕草にさえも今更ながら興奮してしまって。
こんな可愛らしい表情をするなんて知らなかった。
にのってこんなに可愛いんだ…
「もっと動きたい…」
「…え?」
「動いていい…?」
目を伏せたまま恥ずかしそうに言い終えて、チラッとこちらを見た瞳とぶつかって。
その瞳に捉えられたまま小さな唇がまた動いた。
「…そのままにしてて…」
たっぷり間を置いて告げられた言葉に反応する暇もなく、ゆらりと後ろに倒されたにのの上体。
左手を後ろに付いて、右腕は俺の首に回されたままで。
そして少し腰を浮かせたかと思えば、角度をつけて再び俺の太腿に腰を沈めてきて。
っ…!
「あぁっ…!」
瞬間、何とも言えない快感に歪めた顔で甲高い声を発したにの。
「はっ、はぁっ、あぁ…いいっ…」
微動だに出来ない俺の上で自ら体勢を変えて上下に動くその姿。
しかも視線の下には反り返ったにののソレが振動の度に揺れていて。
「あっ…!はぁっ、も…おっく、いいっ…」
びくんと体を揺らして顎を反ったにのの唇からは、絶え間なく上擦った声が漏れ続ける。
そんな目の前の光景に夢とは言えど信じられないくらいの興奮を覚えた。
こんなに乱れたにのなんて見たことない。
いやそれも当たり前なんだけど!
もうほんとダメかもしんない、俺。
俺、にのに…
完全に墜ちちゃった気がする…
「あっ、あっ、きもち…いっ…」
体を支えているにのの左腕がぷるぷると震えているのが視界に入り。
纏わる右腕を引き寄せて体を起こさせ、ぎゅっと抱き締めて。
下から勢い良くにのを迎え入れた。
「んやぁ!あいばさっ、すごっ…」
「くっ…に、のっ…」
ぎゅうっとしがみ付いてくるにのを抱き締め直し、ただひたすらにがむしゃらに腰を突き上げて。
「あっ、あっ、もうダメっ、」
「んっ…イク…?」
「あっ!やだっ、イっちゃう…あいばさ、イクよっ」
次の瞬間、抱き締めていた体が強張ってぎゅうっと首元に腕が纏わりつき。
燃えるように熱い密着した汗ばんだ体のまま、真っ白な色が視界を包み込んだ。